エーガニッキ

札幌在住 映画と旅好き 還暦過ぎ

2011年バスク旅行 その4 サン・ジャン・ド・リュズ


サン・セバスチャンからサン=ジャン=ド=リュズ(Saint-Jean-de-Luz)までは、海が見えたり見えなかったり
バスで50分位だった。途中アンダイエ(Hendaye)は、白いヨットがいっぱい浮かぶ港に面したとても美しい街だった。
そこから乗った白髪でかなり高齢そうなご婦人は、空席があるのに私の隣に座った。過去からの経験で失礼ながらかってに
スリ危険警報発令、彼女顔はソニア・リキエルそっくりで5〜6分に一度位頻繁にお顔に粉をふってお化粧直しをしていた。
そしてお化粧直しをしながら私の顔を覗き込み何やらフランス語で話しかけてきた。私は全く分からないので目的地
「サン・ジャン・ド・リュス!」と言うと「サ・ホワン・ド・ルス?(私の耳にはこう聞こえた)」「Oui」

次の次の停留所に止まった時、彼女が強烈な肘鉄をくれてあっち見てみなよみたいに顎をしゃくった。見てみると
男の子が紙袋に向かってゲーゲー吐いてた。教えてくれなくてもいいのに…。
そんな彼女、サン・ホワン・ド・ルスが近づくと「次だよ」みたいな感じで教えてくれた。merci.

バスを降りてメインストリートに向かうとツーリストインフォメーションがあり、そこで次の目的地までのバス時刻表を
もらい、ホテルまでの行き方を教えてもらった。もの凄く眩しいヨーロッパの日差しの中、てくてくホテルまで歩いた。


 


コンフォートシングル、ストリートビュー、テラス付き1泊143€。広く清潔なバスルーム、バスローブとタオル乾燥機もあった。ホテルを Hélianthal Thalasso & Spa
にしたのは、本格的なタラソセラピー&スパが受けられるとのことだったから。サン・ホワン・ド・ルスで最初にできたスパホテルらしい。



 


バルコニーからの眺め。
ホテルのレセプションの説明によると、ホテル内は、バスローブ&スリッパOK!とのこと。なので早速水着に着替えてバスローブを羽織り
プールへ行った。
グランドフロアーにある室内温水プールでは、水中エアロビクスレッスンをやっていてわたしもちょっぴり参加してみた。
プールの水は多分海水、あがった後お肌がつるつるになった。部屋にあったタラソセラピーやマッサージのメニュー表がフランス語だったので
エステ係りの人に英語のはないか聞いたらフランス語のみだと言う。施術してくれる人に英語が通じるのか聞いたら、う〜んって感じだった。
メニューが読めないのと裸になって言葉の通じない人とやり取りすることが苦痛でタラソセラピーは諦めることにした。ちょっとがっかり。
でもまあ温水プールに浸かっていればそれなりにお肌に良さそうだし、プール併設のサンルームから直接ビーチに出ることもできたので、
日が出てれば外で、日が陰ってきたら中で日光浴をし、サウナやハマムに入って汗を流した。日の光は1年分浴びた感じ、北国育ちには贅沢贅沢。



プールに飽きたのでお散歩に出てみた。この後ろがホテルのビーチ。ひとり旅、ひとりで歩いてる人は全く見かけなかった。やはりこういった
リゾート地はひとりで来るところじゃないのかな〜と旅の途中唯一しんみりしてしまった。
日本から持ってきた水着があまりにシックじゃなく周りから浮いた感じだったので、メインストリートのお店でパープルのハイレグ水着を買った。
旅行前に周ったお店には若い子の着そうな大きな花柄の水着か、スポーツ水着しかなく、素敵なのが買えてよかった。



ホテルのレセプションお勧めのお店 Bodega la Plancha  で食べたDrade grillee Espagn(鯛のグリルスペイン風)
塩味がちょうど良く美味。付け合せのサフランライスもおいしかった。チョコリも飲んだ。ちょっとがやがやしたお店だったけれどひとり旅のひとりごはんには
あのくらいの騒がしさがちょうどよかった。
ホテルに帰ったら疲れてたのかすぐ寝てしまった。



リゲッタ健康サンダル、合成皮革、ゲタリアでの長距離歩行にも耐えたスグレモノ、なのに…。
翌朝、朝食を食べ終えてレストランを出たらバスローブを着た中年女性が、入ろうかどうしようか迷ったように中を覗いていた。
彼女は入らなかったようで帰りのエレベーターで一緒になった。彼女、私の足を指さし「英語は分かる?」と言う。私がYes.と答えると
「あなたのそのサンダルひどいわね。市場へ行くんじゃないんだから、こういう場所には私のようなフラットシューズを履くべき、人に笑われるわよ」と言う。
自分はレストランにバスローブで何を言うと思い、でもちょっと不安になってレセプションにこのサンダルは失礼か聞いてみた。すると「全然かまわないけれど、
プールは滑ると危ないからやめた方がいい」と。良かった。




ホテルのお部屋でランチ、市場のお総菜屋さんで買ったタラとポテトのサラダとババリアビール。

朝食を食べ終え部屋でのんびりしているとおそうじ係の人に「お昼過ぎまで部屋を出てほしい」と言われ、お土産物を買いに街へ出た。ルイ14世が結婚式を
あげた教会は閉まってて残念、発祥の地と言われているエスパド−リュ屋さんやチョコレート屋さん、バスクリネンのお店を見て回った。
バスクリネンはしっかりとした生地で、オレンジ色に黄色と黄緑のストライプ、唐辛子のワンポイントが付いているテーブルクロスを買った。

市中心部にある市場はとても賑やかで、お食事のできるテラスが出たりバーベキューをやったりしてた。私は中に入り色んなお総菜屋さんを見て回って
買ったのは、目が合ってJapanese?と言ってくれた店員さんから。彼女は「日本の復興を願ってます」と言ってくれた。「どれがおすすめのサラダ?」と
言うと「お魚とお肉どっちが好き?」と聞いてきたので「魚」と答えるとタラのサラダをお勧めしてくれた。オリーブオイルとハーブの香りがとても良く
塩味もあっさりとして美味しいサラダだった。そこではパンとビールも買った。

午後からは、泳いで日光浴して、日光浴して泳ぎハマムにサウナの繰り返し、夕方にはぐったりとしてもう夕食に出かける元気はなく、昼間買ったパンを
かじってビールを飲みぐったりと寝た。




サン=ジャン=ド=リュズ国鉄の駅舎


ホテルの朝食、日曜日だからかサーブしてくれる人が極端に少なかった。フルーツもパンの種類も少なく、卵はゆで卵だけ。
サン・ホワン・ド・ルスもホテルも気に入ったけれど、この朝食に2000円近くはないと思うので、もう一度このホテルに泊まったとしても
朝食は付けないな〜と思った。

次の目的地Bayonne(バイヨンヌ)行きのバスをこの駅舎前で途中下車したので、絶対ここからバスに乗るものと思い、待つこと30分。
15分間隔位で運行しているはずなのに全然バスが止まらない。おかしいなぁ〜と思っていると中年男性が「どこへ行くの?」と話しかけてきた。
バイヨンヌ」と答えると送ってくれると言う。え〜お金はかからないし、ドアトゥドアでホテルまで送ってもらえるかもと思ったけれど、
No,thank you.と答えた。彼は「どうして?」と聞いてきたので何と答えようか迷ったけれどDangerous!と。彼は驚き「Moi!(僕が)」と言ったけれど
I am sorry for you.としか言えなかった。頭を下げると彼は首を振って自分の車の方へ行ってしまった。すみません。ヨーロッパの危ない映画の
見すぎ、ミヒャエル・ハネケが悪いんです。
バスがほんとに止まってくれないので、もしかしたら下車と乗車のステーションが違うのかと地図にある別の停留所へ行くと、そこにバイヨンヌ方面
行きのバスが止まってた。スーツケースをトランクに入れて、発車までに運転手に自分の泊まるホテルの地図を見せ、3か所あるバイヨンヌの停留所のどこで
降りたらいいか交互に指差して示した。「停留所はどこですか?」と言うフランス語、覚えておくべきだと思った。と言うかフランス語会話帳を何故
スーツケースに入れっぱなしにしちゃったのかなって…。運転手さんが、ココと指差してくれたので安心してシートへ。バスは緩やかに発車した。