エーガニッキ

札幌在住 映画と旅好き 還暦過ぎ

2011年バスク旅行 その5 バイヨンヌ


サン・ホワン・ド・ルスからバイヨンヌまでバスで40分位だった。曇り空、少々小雨。
運転手さんが教えてくれた停留所で降りると周りは何もない。市中心部にあるセントマリー大聖堂の塔が遠くに見えた。
地図によるとホテルはセントマリー大聖堂の向こう側にあるはず、そこへ行くためにタクシーを拾おうにも本当に何もなかった。
仕方ないのでセントマリーの塔目がけてスーツケースを引きずっていると、数台車が止まって「どこへ行く?」と声をかけて
くれる。後ろに車が続いていても気にせず止まるのには驚いた。急に前の車が止まっても、後ろの車はクラクションも
鳴らさず、一緒に止まり心配そうに私の方を見てくれた。私は車が止まり聞かれるたび「市中心部!」と言い
乗せてくれると言ってくれた車もあるけれど、サン・ホワン・ド・ルスのおじいちゃんを断ってるのに、ここで乗せてもらうのも
なんだかと思いThank youといってやり過ごした。
公園の横の道を通っていると、今度は路線バスが止まって「どこへ行くんだ?」と私はまたまた「市中心部!」と言うと
「乗りなさい」と言ってくれた。乗客はおばあちゃんひとり。運転手はもう一度街のどこ?と聞くのでホテルの
地図を見せると、バス路線図をくれてAバスに乗って2つ目だと言う。「Aバスの乗り場まで乗っていきなさい」と。



Aバス乗り場

降りるとき運転手さんにいくら?と聞くといらないと言う。日曜日なのでバスは少ないよと言ってくれた。親切!
Aバス乗り場に座っていると目の前に大きな橋があって向こう側にホテルの看板が見えた。全然歩ける距離、
歩くことにした。
ホテルのレセプションはすごく親切で感じが良かった。お店を調べるのにコンピュータを貸してと言ったら「very very slow」と笑ってた。本当に遅かった。
お部屋は値段の割に小さく、ベッドが驚くほど狭かった。私が使っているシングルベッドより狭かった。



 

ホテルの部屋からの眺め、見える塔がセントマリー大聖堂。サン・ホワン・ド・ルスからのバスを降りたのはあの向こう。遠い。
日曜日、街は静かだった。



バイヨンヌ、鉄道の駅。ホテルのすぐ裏。


次の日の朝8時半発パリ行きの国鉄チケットを買いに行った。私の前に並んでいた人が係員に地図はないか聞いていた。
私はホテルからもらったのがあるから彼にこれどうぞとあげると、どこから来たのか聞いてきた。私は日本だと答えると
TUNAMIは大丈夫かと言う。私の住んでいるところは地震はあったけれどTUNAMIはなかったと言うと、TUNAMIと
地震は同じじゃないのかと言ったので、TUNAMIは地震によってもたらされるもので別だと説明した。彼は○×※▲から
来たと言うがちっとも聞き取れない。もう一度聞き返したらパスポートを見せてくれてサウジアラビア人だと言う事が分かった。
一緒に歩いていると彼は、あのホテルに泊まっていると言う。同じホテルだった。ランチはすんだ?一緒にどうと
誘われたのでご一緒することにした。



ワンプレートランチ。料理名は忘れちゃった。トマト味の牛肉だった。8€


彼は、地図を作る仕事をしている人で仕事関係で私と逆のルート、パリから来てこれからスペインへ行くと言う。
パリはどうだったか聞くととてもロマンチックでいいところだと、欄干に鍵をつけている橋があったと言っていた。
恋人同士が記念にかけるのだと言う。話している途中奥さんから電話がかかってきたり、仕事仲間にかけたり
iPhoneをずっといじっていた。

その他お互いのことを話し、彼はこれから一緒にバイヨンヌを周ろうと言ってくれたけれど英語を話すのが面倒なので
ことわり、夜ビアリッツで一緒にディナーをしようとも言ってくれたけれど、彼の英語を聞き取るのが結構大変
なのでそれも断った。きっと私の英語も彼のと同じくらい怪しいんだろうなと思った。すると彼は、夜8時に何をしてるか聞いてきた。
自分はその頃ホテルへ帰っているだろうから、部屋へおいでよと。部屋番号を書いたメモをくれ、まあ来る来ないは自由だからと。
私は、メモをいったん受け取って彼に聞いてみた。
「I’m very curious about you. Are you a Muslim, right?」
「なになに?何が知りたいの」
「聞いたら怒るかも」
「怒らないから聞いてよ。嫌な質問には答えないからさ」と言うので
「How many wives do you have?」
彼は大笑いして「ひとりだよ。イスラム教徒は何人も妻を持てるけれどそれは平等に富や愛情を分けなければいけないの。自分はひとり
だけしかできないよ」と答えてくれた。怒られなくて良かった。

レストランを出る時、彼はご馳走してくれると言った。だけど理由が無いので断るといや〜な顔をした。失礼だったのかな?
でも日本じゃそうなのだからいいのだ。それからひとりでバイヨンヌを歩いた。




セントマリー大聖堂を望む市街地。日曜日なのでどこも開いてませ〜ん。



 

セントマリーまでの道すがら見つけた郵便局のマーク、かわいい。と、どこかのドアノブ。



この通りのお店は開いてた。バイヨンヌはヨーロッパに初めてチョコレートがもたらされた地とのことで
美味しいチョコレート屋さんやお菓子屋さんがあると聞いていたが、有名店は軒並み閉まってた。
小さな生ハム屋さんが開いていて、そこで名物の唐辛子と塩、パテ類をいくつかお土産に買った。


唯一開いていた美術館、バスク美術館のあるプチ・バイヨンヌの街並。


バスク美術館内のらせん階段。昔のバスク人と現代のバスク人の身長差。伝統的なバスク衣装の絵画。


細かなバスク様式の門構え。その他織物や衣服などの展示物があった。


修道院(?)


朝のセントメリー大聖堂とグラン・バイヨンヌ。移動日に限って天気が良いのは何故?



 

ホテルのレストラン。朝食は取らずココアを飲んだ。あまり…。
チェックアウトの時、昨日のサウジアラビア人と逢ってしまった。彼が「昨日8時はどこにいたの」と聞くので
部屋にいたよと言うと訝しげな顔をした。来ると思ったらしい。そう思った根拠を聞きたかったけど、Byeと言ってホテルを出た。