エーガニッキ

札幌在住 映画と旅好き 還暦過ぎ

2011年バスク旅行 その6 パリ

SNCF(フランス国有鉄道)は快適だった。朝8時半発に乗ってパリに13時ちょっとくらいに着いたから、5時間以上かかったけれど
伊藤若冲に関する本を読んだり、パンをかじったりしてあまり退屈しなかった。ただ、電車好きとしては窓からの景色が速すぎてよく見えないのと、
シートが進行方向に向いてなかったのががっかり。セネガルの少年サッカーチームが同じ車両で、まあお顔が小〜さくてスタイルが良くて
真っ黒、すご〜くかっこよかった。


  

Hôtel du Levant、壁紙の色が私の大好きなデュフィの「三十年、或いは薔薇色の人生」を思い起こさせる。
サン・ミッシェルにあるこのホテルは、お値段なりに部屋は狭いけれど、主要美術館が徒歩圏内にあり、周りにレストランがいっぱいあって
帰りのシャルル・ド・ゴール空港まで電車1本で行けるところがお気に入り。3回目の宿泊。1泊77€。


 

バイヨンヌで会ったサウジアラビア人が言ってた錠がいっぱいの橋。

まず最初に行こうと思ったのがマドレーヌ寺院、メダイをお土産を頼まれたのだ。ホテルのレセプションに徒歩で行けるか聞くと「私なら歩くわよ」とのこと。
なのでシテ島を渡ってセーヌ川沿いを歩いてみた。天気が良く、ヨーロッパの日差しがきつかった。


マドレーヌ寺院

ホテルから徒歩で20分位だった。中に入って頼まれた色のメダイを彼女と彼女の友人分を買った。旅のプランではこの寺院に来る予定は全く
無かったのだけれど、中に入ってみると祭壇がいくつもありお祈りができるようになっていたので東北地方の人々や災害で亡くなられた
方々のためにキャンドルをともし祈ることにした。



オペラ・ガルニエ前

マドレーヌ寺院からオペラ・ガルニエまでもついでに歩いてみた。途中ヴァンドーム広場を通り、高級ブティックを眺めた。
バスク旅行最後の目的は、バレエ「天井桟敷の人々」を見ること。チケットはマチュー・ガニオがバチストを踊る今日は完売で
明日ならあると言う。見られないかもと思っていたのでラッキー!「前の前の方にスペシャル・シートがあるけれどそれにする?」と聞かれたので
Yes.と。オルセーかルーブルかオランジェリーがいづれかの美術館へ行くつもりだったのが、歩きすぎて疲れ、断念。ホテルに帰る。


  


ホテルのレセプションお勧めのお店 RESTAURANT DE HAUTE MERで食べたスープとデザート。

晩御飯はムール貝のチェーン店で有名なLÉON へ行こうと思ってた。ホテル近くにあったはずなのに無くなっててその代わり。レセプションには
レオンみたいな店をと言ったのに、似てなかった。だいたいLÉON はファストフード店みたいだけれど、HAUTE MERはきちんとしたレストランだったもの。
メニューが外国人にも優しい英語ありだったけど、でもそれがiBOOKなの。使い方が分からないったらありゃしない…。それでなんでか分からないけれど
と言うか英語すら読めなかったワタクシ、ムール貝を頼んだつもりが来たのが魚介スープだった。でもこれが凄くおいしくて付け合せのラスクの量が多く
これだけでお腹いっぱいになった。ラスクについてきたマヨネーズソースが、これまたとても美味しくて嬉しくなった。スープを飲み終えるとギャルソンが、
もう終わりか?デザートはどうするの?と聞いてきたのでチョコレートケーキのお勧めを注文した。ムースを囲んでいるメレンゲ状のチョコレートがアーティスティック、
下のムースは濃厚、ケーキはあっさりとあまり甘く無く美味だった。



次の日、やっぱり旅はプランが大事。バイヨンヌが日曜日で失敗だったのに続き、火曜日パリは美術館が軒並みお休み。過去3回、オランジェリーが改装中で見られなかった
ので今回は見ようと思っていたのに…。睡蓮見たかった。次回の課題。きっとパリがまた来なさいと言っているに違いないと思った。



パリ7区 AU BABYLONE で食べたランチ、Les Plats de jour(その日のプレート) 。


私が良く覗かせていただいている某ブロガーさんが行っておいしかったと書いてて、私が初めてパリへ行ったとき泊まったホテルに近かったので
思い出を訪ねてお散歩がてら行ってみた。彼女のブログでは、メニューはフランス語のみとあって、お店を切り盛りするマダムがフランス語のみと
書いてあったけれど、私が使えるくらいの英単語は大丈夫だった。ランチが数種類あって、隣に座っているご婦人のがおいしそうだったので、指差し
「あれは?」と聞くと、その御夫人に聞こえたのか彼女は突然私の方を向いて「メェ〜〜〜」と。あ、羊か?と思い同じものをオーダー。
ラムが柔らかくおいしかったし、付け合せのマッシュポテトも生クリームが多く優しい味で大満足!





一応行ってみたポンピドーセンター前のプール。以前2004年に行ったときはあったかな?




マレ地区、唯一開いていた狩猟自然博物館(Musee de la Chasse et de la Nature)中庭のオブジェ。館内はお子様がいっぱい、ガイドさんに説明を受けて楽しそうだった。
特に剥製に興味があったわけでは無いけれど、こんな機会でもなければ見ないようなものがいっぱい。あらゆる種類の動物の剥製があった。
どの動物ももうこの世にはいないのに生きているみたいで、「本当は話せるの?」と目を見て聞いてみたけど、義眼だったと気づき見つめても心が分かるわけではないと…。
毛皮だったら高そうなキツネやエルメス社が寄贈(?)した馬の剥製もあった。コンパクトで見やすかった。

この後、マレ地区を散策、以前泊まったホテルを探したけれど方向音痴のせいでたどり着けなかった。ホテルに戻り、バレエ鑑賞のためのドレスに着替え
健康サンダルも履き替えた。



海外初バレエ「天井桟敷の人々」幕間で撒かれたチラシ 「オセロ」
何回かパリに来たことはあってもオペラ座は初めてで、入るのにちょっと緊張した。係りの人にチケットを見せると「これはスペシャルチケット」と
私の席を説明してくれた。それが…前は前の方なんだけれど補助席のように畳んである椅子をバタンと下ろして座る形、そんな椅子に座ってバレエ鑑賞は嫌だと
他のシートはないか聞いたら、きっと近くに空席ができるからそこが埋まらなければそちらに移動できますとのことだった。
椅子に座ると隣の女性がやり取りを聞いていたらしく「きっといい席に座れるわよ」と言ってくれた。彼女は、ニューヨークから来て14日間アパルトマンを借りて
連日ショウや美術館を見ているとのこと。「このショウは見たことある?」と聞かれたので、自分はバレエは2度目でこれを見たいのは映画「天井桟敷の人々」が
マイベストムービーでそれがどのようにバレエになっている知りたかったと言ったら、彼女も「主人公が無言劇の俳優で、それをもともと無言のバレエでそこをどう
表現するのか楽しみね」と言った。天井のシャガールが綺麗でその真下にいる自分が嬉しかった。開演が近づくと私はもっといい席に移ることができた。
隣の女性も喜んでくれた。
ストーリーは全く映画と同じだった。一幕目が終わると同時に天井からチラシが降ってきた。チラシは私のところまでは届かなくて座っていたら、黒装束で
顔を真っ白に塗った男性が、近くに現れそのチラシをくれた。私は予備知識がなかったから、それが幕間で踊る告知だということが分らなかった。彼が
「こちらへどうぞ」みたいな感じで腕を差し出して来たので、私も腕を回したら無言でロビーに連れて行ってくれた。そうそこでバレエ「オセロ」が上映されていたのだ。
「オセロ!」と思わず声を出して言ったら、彼はにっこりとして手を振って向こうへ行ってしまった。
第二幕、始まると私を「オセロ」にエスコートしてくれた人がステージにいた。ダンサーだったのだ。あ〜だから組んだ腕ががっちりしてたんだと納得した。
夢のようだった。

終わった後、階段を下りていたら先ほどのニューヨークから来た女性が「どうやってホテルまで帰るの?」と話しかけてきた。きっとバレエの感想を話したかったのだと
思う。私は公共の乗り物で帰りたいけれど、危ないかしらねと聞くと方向が同じなら一緒に地下鉄に乗ろうと言うことになってホテルを聞くと偶然に同じ駅だった。
ふたりでバレエのことを話しながら歩いて地下鉄の駅へ。ふたりともバチストよりギャランス役のダンサーが気に入って、良かったわね〜と言うことになった。
それとお互い好きな映画の話もして、パリに惹かれるのは何故かしらね〜とか「ポン・ヌフの恋人」が好きと言うので「ポンヌフはポンが橋でヌフが新しいでしょう。
東京にも同じ名前の地名があるのよ」と教えてあげると、まあ行ってみたいと…。
駅に着いたら彼女はホテルまで送ってくれた。多分私の方が年上だと思うけれど幼く見えたのかな〜。ハグしてお別れした。